複雑な感情、365日。

納得



「わかった」

・・・え?
何がわかったって?

「だが、いくつか言わせてもらう」

どんな罵声が飛んでくるのか
緊張しつつ、
次の言葉を待ち構えていると

「授業中寝るな、係の仕事はちゃんとしろ、しっかり話を聞け、名札は校則だ、ちゃんと付けろ。
わかったか」

「・・・はい」

高橋の威圧に押され
思わず頷いてしまった。

はっという顔をしたのも束の間
高橋が行き成り立ち上がった。

あたしが体をビクつかせても
何の意味もなく、
高橋は出口へ向かい

「遠藤、君部活入ってたか」

「はい、バレー部に・・・」

「今日はもう帰りなさい」

「わかりました」

そのままドアを開け去って行った。

・・・なんだったの?

ぽつんと残されたあたしは
いつも一緒に下校する
涼香に何も言わず帰宅した。


1人の下校は何だか寂しかった。

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