†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ


「……廉…」




あたしは彼の頭を抱き締めるように、自分の胸に抱え込んだ。




「じゅ…」




「廉には、あたしがいるよ。どこにも行かないから…」




そっとサラサラな黒髪を撫でる。




「ダメだ…お前といると、抱きたくなる。ずっと触れていたい。止まらなくなる……」




「止まらなくて、いいよ」




あたしは彼を離すと、病室の扉に鍵を掛けた。




「抱いて?廉…」




着ていたブラウスのボタンを外して、彼の胸に寄り添う。




「……加減、できなかったら悪い」




廉はあたしをベッドに少し乱暴に押し倒す。




全部受け入れたい。




廉の弱い所も、強い所も…。



















「ん…っ」




汗ばんだ肌が重なり、窓から差す夕日に照らされる。




「ぁ、もう…ダメ……っ」




「ダメだ…まだ、これからだろ……」




限界を訴えても、彼は許してはくれない。




廉はあたしをベッドに押し付け、再び動き出す。




「れ、んっ…あっ、あ……!」




シーツを握り締めて、彼を感じる。




体が、熱い…。



< 144 / 179 >

この作品をシェア

pagetop