†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ
「樹里…好きだ……」
「……っ…あっ、」
ギュッと抱き締められて、奥深くで彼と繋がった。
あたしを好きだと言ってくれる廉。
今もこうして抱かれてるのは…彼が好きだから……。
「あたし、も…っ……好き…」
廉の背中を抱き締めると、涙が溢れた。
ギシッと軋む病室のベッド。
いけないことだと分かっているのに、やめられない。
廉に抱かれたいと思っているから。
こうされるのが嫌じゃないから。
「こんなに愛してんのに…なんで思い出せねぇんだ……」
廉の苦しそうな声に、あたしはギュッと彼の手を握る。
「れ、ん…あたしも、愛してる……」
今は思い出せなくても、こうしてあたしを感じてほしい…。
「樹里…」
「……っ…ん…」
優しく首筋に這う唇に、熱い吐息が漏れる。
廉の顔を見ると、眉を寄せて汗を流していた。
「あっ、ゃ…」
絶頂が近付いて、シーツを握ろうとすると…彼の大きな手が近付いてきた。