†危険な男†〜甘く苦い恋心〜Ⅱ
「じゃあ、また来るね」
服を着て、帰り支度が整った。
「……樹里」
いきなり抱き締められ、彼の胸に埋もれる。
「離れたくねぇ…好きだ、樹里」
「れ、ん…」
彼の広い背中を抱き締めると、更に力が強まった。
コトン、とバッグが床に落ちる。
すると、愛しむように唇を重ねられた。
「ぁ…ん……」
さっきまで抱き合っていた熱い体が、更に熱くなる。
絡み合う舌先に、体の力が抜けていく。
カクン、と膝が曲がってしまい、崩れそうになる。
グイッと腰を引き寄せられ、なんとか体制を保つ。
「れ、ん…」
「んな声出すな。また抱きたくなる」
「あ…っ」
首筋に吸い付き、跡を残す彼。
甘い痛みに、涙が出る。
「お前は俺の女だ。誰にも渡さない」
「……っ…」
男らしい言葉に顔が赤くなる。
「……うん」
ギュッと彼の背中にしがみつく。
そんなあたしの額に優しくキスをして、そっと離す。