幸せまでの距離

ハンドルネーム《ネロ》。男性。

ネロは熱心にショウマの相談に乗ってくれた。

ネロも幼い頃から同性しか好きになれなかった。

彼はショウマの苦しみを理解してくれたし、ショウマが男性の魅力について語ると共感もしてくれた。


いつしかショウマはネロに会いたいと思うようになり、SNSで公開されているネロのプロフィールをたどった。

当時高校2年生だったショウマ。

ネロはショウマより3つ歳上の男性だった。

思い切って会いたいと頼んでから、二人の仲が深まるのにそう時間はかからなかった。

ショウマが受験の年を迎える頃、晴れてネロと付き合えることになった。

思春期の頃から想像しかできずにいた男性の肌に初めて触れた夜。

「もう、死んでいいって思った」――


ショウマは、これまで叶わなかったことがやっと叶い、ネロとの交際に夢中になった。

受験生だということも忘れ勉強もせず、ネロのことばかり考えて……。

しかしネロはいっこうに本名を教えてくれなかったし、最後までショウマに自宅の場所を明かしてはくれなかった。

そんなことに不安を増幅させたショウマはますますネロに依存し、見えないネロの私生活にヤキモチをやき、結局、受験も失敗。

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