幸せまでの距離
「マナさんが?」

内心とても気にしている人の名前が 出て、メイは表情に出さず動揺す る。

ミズキはそれを感じ取りつつも、気 付いていない風に振る舞い、

「メイを傷つけるものから、守って あげる。

私はそのつもりで、メイの姉になり たいと思ったんだよ。

お互いに違う環境で育ってきたんだ から、いきなりは無理かもしれな い。

でも、向き合う努力を忘れなけれ ば、大丈夫。

少しずつ、理想的な自分に近づける よ」

「理想的な、自分……?」

うつむいて視線を落とすメイを見 て、ミズキは言った。

「リク君のことだって、そう。

好きな気持ちを、少しずつ育ててい けばいいの」

焦らず、根気よく水をあげれば、ど んな花も綺麗に咲かせることができ る。

恋の花も、愛の葉も。

ミズキはふんわりとメイの頭をなで る。

大好き。 愛してる。 ここにいてもいいんだよ。

そんな優しさが伝わる触れ方で ――。





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