幸せまでの距離
午後9時。
空の星が見えないくらいに、この繁 華街は、ネオンと行き交う人の群れ で溢れている。
メグルの勤務先の居酒屋で語らって いたショウマとリクは、帰路を目指 して店を出るところだった。
平日だからか客の数も少なく、席は まばらに埋まっている程度だ。
手の空いたメグルが、二人を見送っ てくれる。
メグルはやや乱れた茶色い髪を手グ シで整え、開店前と変わらぬ元気な 表情で、
「明日から大学の合宿なんでしょ?
いーなあ。あたしもそういうの行き たいよぉ」
と、うらやましげに二人を見る。
リクとショウマが入学したN大学で は、明日から2泊3日で、新入生の 合宿が行われる。
新生活を活発なものにしよう。
大学生活でかけがえのない友情が育 くめるように。
そういった趣旨(しゅし)の、いわ ば大学側が「新しい環境で新しい友 達を作る場所と機会」というもの を、学生達に与えるための合宿なの である。
ショウマは「もうリクと居るって決 めたから、他のヤツと絡む必要ない し、サボろっかな。そういうのタル いし」と、合宿に乗り気でない。
合宿は基本的に自由参加と言われて いるが、「来なかった者は浮くぞ」 という無言の圧力があるので、例 年、サボる生徒はいない。
リクはそれを気にして、
「ダメだって! ちゃんと出な きゃ。
理由なくサボったら、あとあと俺以 外の人と絡みづらくなるんじゃな い?」
ショウマはしばらく「むうう」とう なっていたが、最後は観念したよう に、
「わかった、リクが行くなら行く わ」
と、合宿参加を決めた。
空の星が見えないくらいに、この繁 華街は、ネオンと行き交う人の群れ で溢れている。
メグルの勤務先の居酒屋で語らって いたショウマとリクは、帰路を目指 して店を出るところだった。
平日だからか客の数も少なく、席は まばらに埋まっている程度だ。
手の空いたメグルが、二人を見送っ てくれる。
メグルはやや乱れた茶色い髪を手グ シで整え、開店前と変わらぬ元気な 表情で、
「明日から大学の合宿なんでしょ?
いーなあ。あたしもそういうの行き たいよぉ」
と、うらやましげに二人を見る。
リクとショウマが入学したN大学で は、明日から2泊3日で、新入生の 合宿が行われる。
新生活を活発なものにしよう。
大学生活でかけがえのない友情が育 くめるように。
そういった趣旨(しゅし)の、いわ ば大学側が「新しい環境で新しい友 達を作る場所と機会」というもの を、学生達に与えるための合宿なの である。
ショウマは「もうリクと居るって決 めたから、他のヤツと絡む必要ない し、サボろっかな。そういうのタル いし」と、合宿に乗り気でない。
合宿は基本的に自由参加と言われて いるが、「来なかった者は浮くぞ」 という無言の圧力があるので、例 年、サボる生徒はいない。
リクはそれを気にして、
「ダメだって! ちゃんと出な きゃ。
理由なくサボったら、あとあと俺以 外の人と絡みづらくなるんじゃな い?」
ショウマはしばらく「むうう」とう なっていたが、最後は観念したよう に、
「わかった、リクが行くなら行く わ」
と、合宿参加を決めた。