幸せまでの距離
「ルンルン」といった表現が似合う 様子でその様子を見ていたメグル は、二人を店の外に送り出すとリク に駆け寄り、

「いろいろ悩んでるみたいだけど、 メイのこと、よろしくね。

合宿、楽しんできて!」

と、ささやくように言った。

メイのことで悩んでいることをメグ ルに見破られリクは驚いたが、軽く うなずき、

「大丈夫だよ。そんな大したこと じゃないから。

帰ったら電話してみるし」

中盤より酒酔いの深まったショウマ にもその会話が聞こえていたよう で、

「そうそう! 悩んだって始まんな いしさ!

電話なんてユーチョーなこと言って ないで、会いに行ったらいいじゃ ん!」

と、真っ赤な顔をリクに近付ける。

「酒くさいっ」

「リクたんの意地悪……」

冗談ぽくしょんぼりするショウマの 世話で手一杯で、今夜リクは、メイ に会いに行けそうにない。

「ショウマんちどこ? 送ってくか ら、出来るだけちゃんと歩いて?」

リクは言うことを聞かない子供の相 手に手こずる母親のような気分で、 ふらつくショウマを支える。

メグルが店長に頼んで二人を車で送 ると提案したが、あいにく店長は用 事で他の店舗に出向いており、無理 な話だった。

「駅近いけど、車とか気をつけて ね。夜は暴走運転する人多いから。

送れなくてごめんね」

オロオロするメグルを安心させるよ うにリクは片手を振り、ショウマを 自宅アパートまで送っていった。

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