幸せまでの距離
支払いを終えたショウマとリクは、 その女子学生達に話しかけた。

「どうしたの?」

「あ、あの……」

彼女達は同じ大学の女子らしく、合 宿のために使われているホテルを抜 け出してここに来たそうだ。

リクの疑問顔にすがるように、片方 の女子が話をする。

「財布、どこかに落としたみたい で……」と、頼りなさげな声音で説 明した子は、一緒にいた隣の友達に そのことを相談していたところだっ た。

そこにリクとショウマがやってきた というわけだ。

「ホテル出る時は持ってたから、途 中で落としたのかも……。

外ポケットに入れてたし、人混みの 中通ったから、多分その時に……」

カジュアル系のオシャレファッショ ンに身を包み、美容院で定期的に手 入れしているのだと分かる綺麗な 髪。

見た目の印象からして財布を落とし た女の子は、普段ならもっと快活そ うだが、財布を無くしたという緊急 事態の影響からか、すっかり元気を 無くしている。

「探すの手伝うよ」

リクは考えるより先にそう言ってい た。

「リクならそう言うと思った」

ショウマは苦笑しつつも楽しい気分 で、彼女達の財布探しを手伝う。

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