幸せまでの距離
しかし、アカネやショウマの感覚で は、リクの言葉は異色そのもの。

「リク、本気で言ってる?

普通はメアド交換して後で金返して もらう約束するでしょ?」

「そうだよっ。財布探してもらった だけでも申し訳ないのに、お金まで もらうなんて、出来ないよ」

アカネの困惑した顔を見て初めて、 リクは自分の言動がおかしいものだ と気付く。

結局リクはアカネとアドレスの交換 をし、合宿後に貸した一万円を返し てもらう約束をしてホテルに戻っ た。

「リクって、いっつもそんな風な の!?」

ショウマは初めて日本の文化に触れ た外国人のような顔つきで言った。

部屋割で運良く(?)同室になった 二人は、部屋の隅にある休憩スペー スの窓辺にいる。

リクは首をかしげ、

「俺、何かおかしいことしたかな?

アカネちゃんのことあんなに困らせ るなんて思わなくて……」

リクはふに落ちないといった面持ち で窓の外に広がる夜景を見る。

「……リクのことだし、下心なしの 親切だったってのは分かってる」

「下心なんてあるわけないじゃ ん!」

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