幸せまでの距離
夕食を済ませ風呂をかりたメイは、 メグルの部屋にあるベッドに腰を落 ち着けた。

メグルは会った時からいつもの調子 で明るく話しているが、どこか無理 しているように見えるし、顔色も冴 えない。

丁寧に手入れしていたトレードマー クの巻き髪もボサボサになりかけて いるし、肌もくすんでいる。

「違うならいいけど、何かあっ た?」

メイが尋ねると、メグルは分かりや すく目を見開く。

「何? 私変なこと言った?」

普段通り平坦(へいたん)な声で返 すメイに、メグルは首を振り、

「ううん。やっぱりメイには、バレ ちゃったか~」

と、照れまじりに苦笑した。

メグルは自分よりメイのことを心配 して泊まりに誘ったつもりだった。

リクとメイの仲がいまいち前に進ま ず、逆にギクシャクしているのが分 かっていたから。

しかし、精神的にまいっているのは メグルの方かもしれない。

メイにそれを気付かれたことより、 優しく心配されたことにメグルは驚 いたのである。

半年前のメイからは考えられないこ とだから。
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