幸せまでの距離
メイは話をそらそうとしたが、メグ ルはまっすぐな目でメイを見てい る。

「こうやって聞き出すようなこと、 あまりしたくなかったけど。ごめん ね、メイ。

黙って見守るつもりだったけど、今 日のメイ、思いつめてるように見え たから……。

あたしでよければ、何でも力になる よ?」

メグルはメイの頭をそっとなでて、 横に寄り添った。

肩に触れたメグルのぬくもりに、ざ わつきそうだったメイの心は落ち着 きを取り戻す。

「……好きだからどうなりたいって 感じじゃない。

リョウの時もそうだったけど……」

今は亡きミズキの弟・リョウは、メ イの初恋の相手。

「リクと付き合ったら、何がある の?

手をつないで、キスして、最終的に は男女の関係に行き着くだけで しょ?

普通の女だったら、そういうのを幸 せに感じて恋愛ってやつを頑張るん だろうけど、私にはその気が起きな い。

リクがどう考えてるか知らないけ ど、付き合ったら、いつかそういう こと望んでくるかもしれない。

結婚願望すら無い私が、どうしたら リクの『彼女』になれる?」

メイは感情をあらわにせず、いたっ て冷めた声でそう言い切る。
< 161 / 777 >

この作品をシェア

pagetop