幸せまでの距離



昨夜リクに別れを告げたメイ。

家を出た後、ひょんなことから彼 女はメグルの家に泊まることに なった。

カナデやトウマのことについて 色々話し込んだ後、二人は黙って 瞳を閉じ、眠りについた。


前日泣き過ぎたせいか、夜が明け た時、二人の目は赤くはれてい た。

今日もそれぞれに仕事や学校があ る。

昨夜の続きと言わんばかりに色々 と考えを巡らせてしまいそうに なったが、何とか準備の手を進め た。


身支度が整った時、メイはメグル に尋ねた。

「これから、カナデの言いなりに なるつもり?

昨日はあきらめたかもしれないけ ど、アイツはきっと、またやって 来るよ」

「……仕事に支障が出るから」

メグルは仕方なさげに言った。

「体を売るなんて本当はしたくな いけど、職場で変なウワサが広が るのもこわいんだ……。

カナデちゃんは、多分本気で匿名 の電話を店にしてくると思う」

「そうだろうね。

だとしても、職場で悪いウワサが 広まるのが、そんなにこわい?」

メグルは弾かれるようにメイを見 た。

「こわいよ……。

あたしの変なウワサが流れたら店 のイメージにも関わって皆に迷惑 かけちゃうし、あたし自身も働き づらくなるもん……」
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