幸せまでの距離
悔しげに唇を引き結ぶメグルに向 かって、メイは淡々とこう言っ た。
「店のイメージがどうなるとか、 他人にどう思われるか~とか、そ んなのを気にしてる場合じゃない と思うけどね。
体を売るのは嫌なんでしょ?
だったらカナデにそう言えばいい じゃん」
「そうかもしれないけど……」
メグルは悲しみに揺れた瞳で、
「カナデちゃんを傷つけてあんな 風にさせちゃったのは、間違いな くあたしなんだよ?
トウマさんがカナデちゃんの彼氏 だってことを知らなかったとはい え、あたしは一時でもトウマさん と付き合った……。
カナデちゃんが身を削ってトウマ さんの夢を応援してたなんて、全 く知らずに……。
カナデちゃんが怒るのも無理ない よ。
あの子の気が済むまで、言う通り に動くしか……」
メイはため息をつき、白けた目を した。
「本気でそう思ってるんだとした ら、メグルは馬鹿だね」
「えっ?」
メグルは動揺した。
「一番悪いのはトウマってヤツ じゃん。
そいつはカナデと付き合っていな がら、メグルにも手を出したんで しょ。
カナデもそうだけど、メグルまで もがその男の無責任な言動に振り 回されてるってことが分からな い?」