幸せまでの距離
二人が外に出ると、朝露に濡れた 街路樹を背景に、ミズキが立って いた。
メイが出てくるのををずっと待っ ていたようだ。
こんな時どうしていいのか分から ず、メイは下を向く。
「家族のお出迎えだよっ」
メグルは明るくそう言い、メイの 背中を押した。
メイの顔を見た瞬間、ミズキは泣 きそうな目をし、メイを抱きしめ た。
「メイ! いきなりいなくなるか ら心配したんだよ……。
無事でよかった!!」
「……ごめん」
メイはぶっきらぼうに謝った。
ミズキに抱きしめられると、その ぬくもりが体に染みて、不意に涙 がこぼれそうになる。
まさか、こうしてミズキに待ちぶ せされるなんて思ってもみなかっ た。
穂積家に居た頃はしょっちゅう外 泊していたが、実の母親はこうし てメイを心配したり、探し回るよ うなこともなかった。
メグルは二人の様子を見て、
「あたしもお姉ちゃんがほしく なってきた」
と、本気のような冗談を笑顔で 言った。