幸せまでの距離

ミズキはメイを抱きしめていた両 腕を離すと、

「メイを預かってくれて、本当に ありがとう」

と、メグルに深々と頭を下げた。

「そんなっ、気にしないでっ。

あたしがメイに会えたのも偶然だ しさっ」

メグルはあわててミズキの体を起 こす。

ミズキは首を横に振り、

「偶然でもいいの。

メグルちゃんがいてくれたおかげ で、メイは無事だった。

感謝しても足りない」

ミズキは半泣きの状態でそう言っ た。

「なんか、そんなに言われると照 れるよ~」

メグルは普段の楽天的なノリで恥 ずかしがっている。

メグルのそんな様子を見て、メイ はますます安堵(あんど)した。

トウマの裏切りやカナデの登場に 直面してつらかったかもしれない が、この調子なら、メグルの ショックも時間の流れで癒えるだ ろうと思えたから。


穏やかな雰囲気を飾り付けするよ うに、朝の空はすっきりと晴れ 渡っていた。

鳥の群れが気持ち良さそうに飛ん でいる。
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