幸せまでの距離
ケータイをにぎりしめつつ、病室の扉を 見つめ、メグルは思った。
“カナデちゃん、ひとりぼっちで死のう としたんだよ……”
急激に冷めていく感覚。
「トウマさん。
これ以上、幻滅させないで……」
心の声は、口から漏れていた。
「何かあった?
顔色悪いけど……」
尋ねるリクにどう返そうかを考えている うちに、メイが病室から出てきた。
二人のただらない雰囲気を目にして、メ イは淡々と質問する。
「なに、この空気」
「トウマさんから、メールがきたよ」
はりつめた表情でメグルは言った。
「返事はしないよ。
カナデちゃんと話す前に、メイには言っ ておきたかったんだ……」
「トウマにメールして」
メグルの返事を待たず、メイは告げた。
「文面は『今から来て下さい。場所 は……』」
「メイ……!?」
「いいから、そう打って。
電話でもいい」
「わかった……」
わけがわからないまま、メグルはメイの 指示通りにメールを打つ。
メイは、メグルに頼んでトウマを呼び出 させたのだった。