幸せまでの距離
カナデの元には両親がいるので、カナデと話すな ら日を改めた方がいいだろう。
メグルとリクは、メイについて病院を出 ることにした。
空はすっかり、夜を表現している。
メイの予想通り、トウマはメグルのメー ルに即反応した。
メグルからの呼び出しだと信じているト ウマは、そうとは思わずメイが指定した 場所にやってきた。
さきほどカナデが自殺をはかった、トウ マのアパート前。
集合ポストの見える公共出入口の前で、 メイ達はトウマを待った。
いろいろ尋ねたい気持ちを抑え、メグル とリクは黙ってメイを見守っている。
1時間後、トウマはやってきた。
メイとメグル、そして見知らぬ少年を見 て、トウマは戸惑っていた。
薄暗い中でも、彼の表情ははっきり見え る。
メグルひとりで会いに来てくれると思っ ていたらしい。
「メイちゃん、どうしてここに?
二人は知り合いだったの?」
「メイとは、高校の時からの親友なんで すよ。
こっちのコはリク君。リク君はメイの幼なじみ で、あたしの元バイト仲間です」
メグルが気まずそうに説明をしている 間、メイはトウマの前に進み出て、彼の 頬を拳で殴った。
ためらいは一切ない。
「……!」
予想外のこと。
驚きで声も出せなかったトウマは目を見 開き、痛む頬を手のひらで押さえ、メイ を見つめる。
「じゃあな」
メイは言い、その場を去った。凍りついたように動かないメグルとリク を横目にして。