幸せまでの距離
気持ちを整えるべく大きく息を吐き、リ クは答えた。
「うん、会いに行くよ。
『勝手なことしてごめん』
前ならそうやって謝ってたかもしれない けど、間違ったことしてるとは思わない から、謝らない」
「……言い切るね」
「うん。だって俺は、メイの家族みたい なものだから。
もう、他人なんかじゃない。
このまま放っておけるわけない」
「……私も行く」
リクは弾かれるようにメイを見つめ、
「無理はダメだ」
「してない、無理なんか。
むしろ、今までの生活が無理ありすぎた んだ」
メイは路上ミニライブのヴォーカリスト を見つめ言った。
「大人が勝手に作り上げた環境に逆らえ なくて、逃げる手段もなくて、知らない うちに無気力人間になった……。
今だって、時々自分が何者なのか分から なくなる。
さっき、トウマを殴って気付いたんだ。
悪い感情は外に出していかないと、自分 が汚れる、ってね……」
メイはこれまで、負の感情を内にためこ み、屈折した形でしか表現できなかっ た。
そしたら悪循環。
えんえんと、悪いことを引き起こしてし まう。