幸せまでの距離
“これが、メイの見てきた風景なん だ……”
メイはこれまで、どんな想いで生きてき たのだろう?
リクは考えた。
“家庭や親が違っても、『幼なじみだか ら』『学校と住んでいる地域が同じだか ら』、メイとは同じ景色を眺めてるん だって、昔は思ってた。
でも、メイは子供の頃からすでに、こう いう現実を見ていたんだ”
差別の目。
特別なものを見る目。
メイは常に、居心地の悪くなる視線を向 けられていた。
周りにそんなつもりはなくても。
虐待の理由や原因は様々である。
虐待する親も、幼少時代に虐待されてい たから。
核家族化が進み、母親の育児を手伝う人 がいなくなったから。
父親が育児に協力的でなく、母親の負担 が増えたから。
それは間違っていない。
育児に携わる人は多ければ多いほど、母 親は心強いだろう。
悩み事を共有できる相手がいないのは、 女性にとってつらいものがある。
かと言って、それを理由に、甘えの強い 親が多くなった結果、虐待や育児放棄が 増えた。
虐待や育児放棄を受けた子供からしたら 『そんなのは大人の勝手な事情』としか 思えないし、『なぜ愛してくれない の?』と、疑問と不信感が募るだけだ。
過去や育児環境がどうであれ、子供に愛 情を注ぐ母親も大勢いる。