幸せまでの距離
メイの父親・金山保。
リクは、保の件について、メイに話せて いないことがあった……。
リクの案内に従い、メイはうつむき加減 に彼の横を歩く。
慣れない土地に広がるのは、道路やマン ション。
視界に入るのは見慣れた日本の景色なの に、地元とは違う風の匂いがした。
人気(ひとけ)の少ない歩道からは、富士山が見え た。
マンションや一軒家がまばらに並んだ住 宅地をしばらくを歩くと、リクはとある 遊歩道で足を止めた。
視界の先には、他の住宅から離れて建て られた家が、ひとつポツンと存在してい る。
男性が一人暮らしをするのには大きすぎ る家だった。
「あそこが、アイツの今の家?」
家を眺めたまま、メイは隣のリクに訊 (き)いた。
「……うん。あそこが、おじさんの…… 金山保さんの、今の家だよ」
三階建ての家。
金山保の住まいには、ベランダと広い庭 がある。
塀が低いため、外から見ているメイ達の 目にも、金山宅の庭に生える鮮やかな草 花や洗濯物など、生活感を漂わせる物が はっきりと見えた。