幸せまでの距離
メイはふらりと立ち上がり、再び金山宅 に足を向ける。
視線の先には、幸せそうな家族の住ま い。
メイはめまいがしそうになった。
“あそこに、私の異母兄弟がいる……”
金山保は、たしかに自分の父親だった。
なのになぜ、あの家に住む小学生の男子 児童は、自分と違う環境に置かれている のだろう。
父親は同じなのに、母親が違うというだ けで、こうも差ができるものなのか。
リクはメイの前に立ち、彼女の足を止め た。
「先に、俺が会ってくる!
メイはまだ、ここで待ってて!」
「……わかった。任せる。
私は駅に戻るから、話し終わったらアイ ツを連れてきて。必ず」
「わかった。絶対、連れてく」
駅方面に向かうメイを見送ると、リクは 小走りで金山宅に向かい、インターホン を鳴らした。
駅に戻る途中、メイはささやいた。
「会うよ、アイツに。
楽になるために……」