幸せまでの距離
「でも俺は、そんなの間違ってると思い ます。
法律も、男性に都合良く出来てるとしか 感じないし、今のままじゃ、女性ばかり が痛みを我慢しなきゃいけない。
それが普通になってるなんて、不公平 じゃないですか……。
本来、女性ってすごく尊い存在だと思う んです。
女性は妊娠し、人を産むことができる。
男にはできないことです。
それなのに、女性を欲求のはけ口にしか できない男性は、間違ってる…!」
保はうつむき、震えていた。
リクの言葉が胸に突き刺さっているの か、過去の罪を悔いているのか、しきり に指で涙を拭っている。
いま言わないと、もう、言う機会がな い。
リクは再び口を開いた。
「メイのことが大切なら、彼女の気持ち を想像してあげてほしいんです。
生まれて最初に接した異性に……。親に そんな扱いをされたら、世の中の全員が 敵に見えてしまう。
『そんなつもりなかった』だなんて、今 さら聞きたくありませんよ」