Diva~見失った瞬間から~

始まりは、間違いなくここだった。

この歌を歌った瞬間。

"Diva"が始まった。


鈴の歌詞を初めて見た時。

その言葉は自然に私の中にストン、と

一瞬で馴染んでいった。


初めて読むとは思えない、懐かしさ。

初めて書いたとは思えない、表現力。

この全てが、私の心を震わせた。


「――…。」

歌い終わると、とても心地良かった。

この音の余韻がとても好きだ、

そう思った。


「カナ…。」

後ろから鈴の声が聞こえる。

その声は小さく震えているようだった。


振り向くと、そこには瞳を輝かせる

小さな子供のような鈴が立っていた。


「最高…!

カナ、絶対作曲の才能あるよぉっ!」

彼女は嬉しそうに私に駆け寄ってくる。


あぁ…幸せだ。

そう感じる瞬間だった。





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