Diva~見失った瞬間から~
否。
きっと、
この変化の早さが"恋"なんだろう。
そう考えると納得がいくけど、
何だか余計に恥ずかしくなってきた。
「「……。」」
この沈黙がそうさせているのだろうか。
……何か話題を…っ。
「は…葉月君。」
心臓が破裂しそうな勢いの中で
絞り出した私の声は
物凄く上ずっていた。
「……何?」
ち、近い。この距離には
どうしても顔に熱が集まる。
「…そ、そのっ…。前言ってたこと、
聞きたいんだけど…。」
「前言ってたこと?」
葉月君は、覚えていないのかな。
「わ、私に…。葉月君が私に
優しくしてくれる理由…みたいなの。」
ふう。言えた。
「……あー。有ったな、そんな話。」
葉月君は思い出したみたいだ。
「私、今なら大丈夫だよ。
今だったら…私は歌えるよ。」
まぁ、葉月君に中断されちゃったけど。
「葉月君の、"答え"を聞けるよ。」
私はもう、"歌える"から。