Diva~見失った瞬間から~
「……いや、今はいい。」
葉月君は私の質問に答えを出すことなく
その問題はさっと片付けた。
長くなるとか…かな。
早く本題の
質問の"答え"を教えたいのかな。
「俺が、カナにだけ…優しくするワケ。
それを、
簡単で一言で表せる言葉がある。」
ピアノの椅子に座る私の目の前に、
方膝を立てて膝まずく葉月君が居る。
その姿が本当に様になっていて、
柄にも無く王子様みたいだとか思った。
白タイツにカボチャパンツは
勘弁だけど(笑)。
「……どうかした?カナ。」
あ、いけない。
典型的な"白馬の王子様"を想像してたら
凄く笑えてきちゃったよ。
「……ううん、何でもない。
それより…その言葉を聞きたいな。」
王子のくだりのお陰で自然な笑顔で
葉月君に接せられてる気がする。
理由を、一言で表せるなんて。
葉月君って、本当に凄いんだね。