オレンジ
はじまりの音〜ayano〜
ヤバイな。
深いため息と共に、ベッドにダイブした。
陽菜には、彼とデートをすることになった経緯について、全て包み隠さずありのままを伝えた。
「は!?」とか、「いやいやおかしいって!大丈夫なの?」とか、ところどころ突っ込んだり、呆れ顔と心配顔半々といった様子で聞いていたけれど、あたしの怪我を手当てしてくれたあたりの説明に差し掛かる頃には、落ち着きを見せた。
そしてひと通り話し終わると、陽菜は言った。
「まぁ、そんな危ない奴ではないかな、ってのはわかった。だからいいと思うよ、デートくらい。っていうか、行きたいと思ったから、OKしたんじゃん、彩乃が。なら別に、あたしがどうこう言うことじゃないし」