俺と初めての恋愛をしよう
 「お母さん」
「今日子、人生は正負の法則よ?嫌なことの後には必ずいいことがやってくる。今日子の人生はこれから良いことしか起こらないわ。お母さんが保障する。もしも、嫌な事がまた起こったら、その人が守ってくれるわ」
「うん、絶対に守ってくれるって言ってたわ」
「あら、お母さんもそう言って貰いたいわ」
「……お父さんがいるでしょ?」
「もう、飽きた」

 なんてことを言いだすのだろう、と今日子はあきれつつも笑ってしまう。
 しかし、母親のこの性格で何度救われてきたか。母親はそうすることで今日子を守って来てくれたのかもしれない。やっと、肩の荷を下ろさせてあげることが出来るのだ。

「お母さん、お父さんには一応報告しておいて? 今度は部長と一緒に来るから」
「あら、今日帰って来るまで待っていればいいじゃない」
「そうしたいんだけど、仕事から帰って来たら家に居てあげたいし」

夕食は外食でと、お願いしていたが、やはり、作って待っていたかった。

「じゃあ、仕事帰りに家に来るように言いなさいよ。ね?」
「そんな急に無理よ。仕事の都合があるんだから」
「お母さんの感じゃねぇ、あなたから来て欲しいってメールしたら飛んでくると思うわよ?あなたは、男に言うことを聞かせる魔力があるの。ほら、メールして。お母さんはお父さんに早く帰って来るようにメールをするから」

 強引に押し切られ、今日子はしぶしぶメールを打った。
すると 直ぐに返信があり、突発の仕事がなければ定時で上がれるということだった。殆ど毎日残業をしているのに申し訳なく思った。
 母親も父親にメールをして、返信を待っていた。

「今日子と後藤さんの愛情の距離は返信の速さ、お母さんとお父さんの愛情の距離は遥か彼方ね。早く返事を返して来いって。まったく」

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