俺と初めての恋愛をしよう
「結婚を決めたのなら、娘の過去を知っていると思う」
「はい」
「今日娘を見たとき、今日子本人かと見間違えるほど、綺麗になっていてびっくりした。君のお蔭だな、親なのにここまでできなかったが、後藤さんが今日子を変えてくれた。ありがとう」
「いいえ、変わりたいという本人の強い意志があったからです」
「今日子は子供の頃、それは色の白い目のくりっとしたかわいい子だったんだ。素直さが顔に出ていて、とてもかわいかった。中学に入ってあの出来事があって、自分を卑下してさげすさみ……発作を起こすようになった。私は、発作が起こるまで今日子に起きていることを知らなかったんだ。それから、肌を見せることもせず、顔を隠すうように前髪をつねに下し、外出をするときには帽子をかぶっていたんだ」
「……」
「今日子はかわいい、親の贔屓目で見なくても愛らしい顔をしているんだ。それを何度言っても聞く耳を持たず、しつこく言えば発作を起こすようになった。それ以上の最悪の事態も考えた。それから私達は、外見、異性の事についての言葉を封印したんだ。普通の子供がするような海やプールへ友達と遊びに行ったり、買い物、他にもたくさん。何もしてこなかったんだ」

親にとっても辛い過去を思い出すかのように仰ぎ見ながら淡々と話しをすすめた。

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