俺と初めての恋愛をしよう
「今日子はまじめすぎるんだ」
食事を終えて、二人は黙って空を見ていた。
ふいに後藤がそういった。
「俺と同じように社員として働き、食事に家の事。休む暇がないのは今日子の方だ。専業主婦じゃあるまいし、何もかもしなくていい。朝は俺より早く起きて食事の支度に弁当作り、そんなことをしている間に、洗濯もしている。そんなことまでしなくていい」
「俊介さん」
「俺は今日子にそんなことをしてもらうために、一緒に住んでいるんじゃない。それを要求するなら金を払ってプロを頼むさ」
後藤は、今日子が何か追い詰められていることは察していた。いつでも今日子を気にかけている。だから分かるのだ。
「週末だって俺に付き合って一緒に居なくていい。いくら恋人でも、人格のある個人だ。俺たちは、それぞれにシングルだった時期がながい。急に人と合わせて暮らすのは大変なことだ。それは克服すべきことだが、自分を殺してまですることじゃない」
「ごめんなさい」
そんなことまで心配させてしまったことを、今日子は申し訳なく思った。
後藤になら話せる。今日子は、後藤との間に線を引いていた。後藤に身を任せ、心を寄せているが、まだよそよそしいところはあった。
「私は、自分の気持ちを優先していました。ずっと一人でいた私は、時間がすべて自分の物だったんです。流れていく時間をどう過ごすか、私にはローテーションのように組まれていて、その流れの中で過ごすのが日常だったんです」
植草に相談したことで、少し気が楽になっていたせいなのかもしれない。
自分の素直な気持ちを話し始める。
「影のように生きていきたい。ずっとそう思ってきました。私はあなたが言うように器用じゃない。自分の表面を変えても中身はそう変えられない。そのことを教えてくれたのは、あなた」
「今日子」
「変えることだけを生きがいに仕事をしてきました。楽しみは金額が増えていく通帳。サイトを見ては最新美容を検索する日々。ショッピングやメイクの楽しみを教えてくれたのも、あなた」
食事を終えて、二人は黙って空を見ていた。
ふいに後藤がそういった。
「俺と同じように社員として働き、食事に家の事。休む暇がないのは今日子の方だ。専業主婦じゃあるまいし、何もかもしなくていい。朝は俺より早く起きて食事の支度に弁当作り、そんなことをしている間に、洗濯もしている。そんなことまでしなくていい」
「俊介さん」
「俺は今日子にそんなことをしてもらうために、一緒に住んでいるんじゃない。それを要求するなら金を払ってプロを頼むさ」
後藤は、今日子が何か追い詰められていることは察していた。いつでも今日子を気にかけている。だから分かるのだ。
「週末だって俺に付き合って一緒に居なくていい。いくら恋人でも、人格のある個人だ。俺たちは、それぞれにシングルだった時期がながい。急に人と合わせて暮らすのは大変なことだ。それは克服すべきことだが、自分を殺してまですることじゃない」
「ごめんなさい」
そんなことまで心配させてしまったことを、今日子は申し訳なく思った。
後藤になら話せる。今日子は、後藤との間に線を引いていた。後藤に身を任せ、心を寄せているが、まだよそよそしいところはあった。
「私は、自分の気持ちを優先していました。ずっと一人でいた私は、時間がすべて自分の物だったんです。流れていく時間をどう過ごすか、私にはローテーションのように組まれていて、その流れの中で過ごすのが日常だったんです」
植草に相談したことで、少し気が楽になっていたせいなのかもしれない。
自分の素直な気持ちを話し始める。
「影のように生きていきたい。ずっとそう思ってきました。私はあなたが言うように器用じゃない。自分の表面を変えても中身はそう変えられない。そのことを教えてくれたのは、あなた」
「今日子」
「変えることだけを生きがいに仕事をしてきました。楽しみは金額が増えていく通帳。サイトを見ては最新美容を検索する日々。ショッピングやメイクの楽しみを教えてくれたのも、あなた」