俺と初めての恋愛をしよう
年末をマンションで過ごし、お正月はお互いの家に年始の挨拶に行った。
具体的な式の日取りなどは全く決めていない。
今日子には、式に呼ぶ友人もいない。後藤の両親に「友人が一人もいない嫁」「暗い嫁」と思われたらと、母親に胸の内を打ち明けた。
「後藤さんはなんて?」
「自分も友人を呼ぶ予定はないって」
「それは今日子を気遣って?」
「俊介さんは優しい人よ。私を気遣って言ってくれているに違いないのに、私を友達に紹介したくないんですって。持って行かれたら困るからって、言ってくれたの。絶対に違うことは分かってるの。でもその心遣いが嬉しくて」
「じゃあいいじゃない。後藤さんの言う通りにすれば。彼について行けば間違いないわ。盛大にやれば費用もかかるし、その分を新婚旅行や家財道具にあてなさい。その方がお金の使い道としてはいいわ」
「そうね」
「後藤さんのご両親もきっと二人の決めたことに、文句は言わないわよ。大丈夫」
母親にそう言われ、今日子は少し安心した。
帰る時、こっそりと母親は今日子に耳打ちした。
「お父さんはバージンロードを一緒に歩くのが夢よ」と。
それは、式だけは挙げてほしいということだ。今日子が出来る親孝行はそれくらいしかない。
後藤も、式だけは挙げようと言った。
「迎えに行こうか?」
「大丈夫よ、飲まないようにしますから」
「ん」
あと少しで退職となる。
お金を稼ぐためだけにいた会社だったが、今頃になって愛着が湧く。
一度も異動することなく勤めた会社だった。それが今になって不思議に思う。
「ねえ? なんで私は異動がなかったのかしら?」
「今頃?」
「ええ、なんとも思わなかったんだけど、入社の時を思い出して、同期はみんな異動したし、部内でも異動しなくて残っているのは、私と、確か、二人くらいだから」
「いいことを教えてやろうか」
「え?」
具体的な式の日取りなどは全く決めていない。
今日子には、式に呼ぶ友人もいない。後藤の両親に「友人が一人もいない嫁」「暗い嫁」と思われたらと、母親に胸の内を打ち明けた。
「後藤さんはなんて?」
「自分も友人を呼ぶ予定はないって」
「それは今日子を気遣って?」
「俊介さんは優しい人よ。私を気遣って言ってくれているに違いないのに、私を友達に紹介したくないんですって。持って行かれたら困るからって、言ってくれたの。絶対に違うことは分かってるの。でもその心遣いが嬉しくて」
「じゃあいいじゃない。後藤さんの言う通りにすれば。彼について行けば間違いないわ。盛大にやれば費用もかかるし、その分を新婚旅行や家財道具にあてなさい。その方がお金の使い道としてはいいわ」
「そうね」
「後藤さんのご両親もきっと二人の決めたことに、文句は言わないわよ。大丈夫」
母親にそう言われ、今日子は少し安心した。
帰る時、こっそりと母親は今日子に耳打ちした。
「お父さんはバージンロードを一緒に歩くのが夢よ」と。
それは、式だけは挙げてほしいということだ。今日子が出来る親孝行はそれくらいしかない。
後藤も、式だけは挙げようと言った。
「迎えに行こうか?」
「大丈夫よ、飲まないようにしますから」
「ん」
あと少しで退職となる。
お金を稼ぐためだけにいた会社だったが、今頃になって愛着が湧く。
一度も異動することなく勤めた会社だった。それが今になって不思議に思う。
「ねえ? なんで私は異動がなかったのかしら?」
「今頃?」
「ええ、なんとも思わなかったんだけど、入社の時を思い出して、同期はみんな異動したし、部内でも異動しなくて残っているのは、私と、確か、二人くらいだから」
「いいことを教えてやろうか」
「え?」