俺と初めての恋愛をしよう
一枚の書類を仕上げる。
電話の取次ぎ、コピーやどんな仕事もミスが無いように真剣に取り組んできた。それも今日でお終いだ。
部内の人数分の置き菓子を選ぶのは大変だった。後藤は「簡単なものでいい」と言ったが、何れは分かる後藤との仲。部長と言う立場にいる男の伴侶となるのだ、菓子一つも手を抜きたくなかった。
それぞれの好みを考え、菓子は、何種類か用意した。
そして、一番お世話になった佐々木をはじめ女性社員には、風呂で使えるソープなどのセットを贈ることにした。家族以外に贈り物をしたことがなかった今日子は、何日も何日も悩んで決めた。形に残らず、好みがあっても使い切れるものと考えてのセレクトだった。
恥ずかしがり屋の今日子は、個人的に渡すことが出来ず、社員が退社した時間を見て、それぞれのデスクに置いた。
最後は、一人一人に挨拶をしようと決めていた。
次々と退社をしていく中で、後藤と今日子だけが残っていた。
私物を紙袋に入れ、デスク全てをきれいに片づけ、掃除をする。
グレーの無機質なデスクだった。女子社員のデスクは、それぞれ可愛らしい文房具で自分なりに飾り付けをしていたが、今日子はあっさりとしたものだった。
デスクマットには、一つだけネコのシールを貼った。そのシールを最後に爪で掻いて剥がす。
そして、最後には上司で恋人の後藤に挨拶をする。
「……部長、大変お世話になりました。ありがとうございました」
「8年間、いろいろあっただろう。掃除にお茶の準備、文句も言わず続けてくれてありがとう」
スーツ姿で仕事をする後藤を見るのもこれが最後だ。
「俊介さん、あなたの仕事をする姿を見るのもこれが最後ね。目に焼き付けておかなくっちゃ」
「そうだな……今日子」
デスクを挟んで向かいあっていた今日子の手を取り傍に引き寄せた。
そして膝の上に今日子を座らせキスをした。
「ちょっと、俊介さん! 会社はダメだと」
「ずっと隠してきた関係なんだ。最後くらい会社のシチュエーションを楽しんでもいいだろう?」
「……もう。そんな事ばっかり。もう帰れるの?」
「ああ。仕事は終わった。帰ろう」
「はい」
電話の取次ぎ、コピーやどんな仕事もミスが無いように真剣に取り組んできた。それも今日でお終いだ。
部内の人数分の置き菓子を選ぶのは大変だった。後藤は「簡単なものでいい」と言ったが、何れは分かる後藤との仲。部長と言う立場にいる男の伴侶となるのだ、菓子一つも手を抜きたくなかった。
それぞれの好みを考え、菓子は、何種類か用意した。
そして、一番お世話になった佐々木をはじめ女性社員には、風呂で使えるソープなどのセットを贈ることにした。家族以外に贈り物をしたことがなかった今日子は、何日も何日も悩んで決めた。形に残らず、好みがあっても使い切れるものと考えてのセレクトだった。
恥ずかしがり屋の今日子は、個人的に渡すことが出来ず、社員が退社した時間を見て、それぞれのデスクに置いた。
最後は、一人一人に挨拶をしようと決めていた。
次々と退社をしていく中で、後藤と今日子だけが残っていた。
私物を紙袋に入れ、デスク全てをきれいに片づけ、掃除をする。
グレーの無機質なデスクだった。女子社員のデスクは、それぞれ可愛らしい文房具で自分なりに飾り付けをしていたが、今日子はあっさりとしたものだった。
デスクマットには、一つだけネコのシールを貼った。そのシールを最後に爪で掻いて剥がす。
そして、最後には上司で恋人の後藤に挨拶をする。
「……部長、大変お世話になりました。ありがとうございました」
「8年間、いろいろあっただろう。掃除にお茶の準備、文句も言わず続けてくれてありがとう」
スーツ姿で仕事をする後藤を見るのもこれが最後だ。
「俊介さん、あなたの仕事をする姿を見るのもこれが最後ね。目に焼き付けておかなくっちゃ」
「そうだな……今日子」
デスクを挟んで向かいあっていた今日子の手を取り傍に引き寄せた。
そして膝の上に今日子を座らせキスをした。
「ちょっと、俊介さん! 会社はダメだと」
「ずっと隠してきた関係なんだ。最後くらい会社のシチュエーションを楽しんでもいいだろう?」
「……もう。そんな事ばっかり。もう帰れるの?」
「ああ。仕事は終わった。帰ろう」
「はい」