キミの香り[短編]


「俺な、茉矢に言われたんよ…?
『瑠誠が隣におってくれるだけでいい』って……


俺だって、茉矢が隣におってくれるだけで良かったのに…!!

なあ…?
神様って…こんな小さな事でさえ、叶えてくれんの…?」




俺は祥ちゃんにしがみついて涙を流した。
後から後から…涙が溢れて、止まらなかった。

祥ちゃんは黙って、俺の頭を撫でてくれていた。




「…茉矢…茉矢ぁ…!!」




俺は祥ちゃんの胸に顔を伏せて、ずっと涙を流し続けた。




「…瑠誠…今日、仕事は?」


「…行きたないわ…

こんな気持ちで、仕事なんか出来ん…」




俺の言葉を聞いて、祥ちゃんは口を開いた。




「…じゃあお前は、現実から逃げるんか?

このことを受け入れて――茉矢ちゃんのために頑張って生きようとは思わんの?」


俺は、はっと顔を上げた。

茉矢…茉矢は―――…


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