美容師男子×美麗女子


「どんなひと?」

「なんか、とにかく腕がいいのよ。初めてだったかなー」

「年は?」

「わかんない。でも、雑用ばかりやってたから、扱いは新入りかな」


今回は本気なの、とアミは少女みたいな顔で笑った。

ねぇアミ、でも知ってるんでしょう。

こういう仕事をしていて、ちゃんとした、きれいな恋愛に辿り着く事なんかできないってことを。


「そっか。本気なんだー」


青白い顔色を隠し終えて、あたしはブラウンのアイシャドウを手に取った。


「うん。アヤカはさ、そう言う人居ないの?」

「いるわけないじゃん。学校もあるし、恋愛する暇なんてない」


シャドウを置いて、アイライナーを手に取る。
ゆっくりと、丁寧に目の際に引いていった。

「えー、つっまんないのー。現役女子高生が、なにOLみたいなこと言ってるのよ。若さを堪能しないと」


ネイルを見て、にやにやしているアミに呆れた。

こんなんで接客なんてできるのだろうか。

一部始終、その恋君を想って集中できないんじゃないんだろうか。


< 190 / 210 >

この作品をシェア

pagetop