美容師男子×美麗女子
「どんなひと?」
「なんか、とにかく腕がいいのよ。初めてだったかなー」
「年は?」
「わかんない。でも、雑用ばかりやってたから、扱いは新入りかな」
今回は本気なの、とアミは少女みたいな顔で笑った。
ねぇアミ、でも知ってるんでしょう。
こういう仕事をしていて、ちゃんとした、きれいな恋愛に辿り着く事なんかできないってことを。
「そっか。本気なんだー」
青白い顔色を隠し終えて、あたしはブラウンのアイシャドウを手に取った。
「うん。アヤカはさ、そう言う人居ないの?」
「いるわけないじゃん。学校もあるし、恋愛する暇なんてない」
シャドウを置いて、アイライナーを手に取る。
ゆっくりと、丁寧に目の際に引いていった。
「えー、つっまんないのー。現役女子高生が、なにOLみたいなこと言ってるのよ。若さを堪能しないと」
ネイルを見て、にやにやしているアミに呆れた。
こんなんで接客なんてできるのだろうか。
一部始終、その恋君を想って集中できないんじゃないんだろうか。