美容師男子×美麗女子
「それよりアヤカさん、若いよねー、いまいくつなの?」
どきりとした。何気ないこの会話にも、あたしは警戒しなくちゃならない。
「成人してますけど」
これだから美容師さんにメイクもヘアーも丸投げは面倒だ。
もしあたしが未成年で水商売をやっているなんてばれたら、どこでその情報が回るかだって知れない。
いつもだったら千尋がやってくれるのに。
横を見やる。
アミの長い髪を優しく触る千尋。
あたしにそんな笑顔、見せたこと無いのに。
「メイク入ります」
ぼうっとしてると、あたしが見つめていた方向から違う男の人が現れる。
その人に生返事をして、少し笑って見せた。
妙に緊張する。
アミは千尋1人の相手だからいいけど、あたしは後ろに男、前に男の2人ついているからいやに緊張する。
距離感が近いし、なによりも日常生活ではありえないくらいじろじろと見られるのが嫌。(仕方ない)
女の人でも嫌なくらいなのに、あぁ、神経使う。
となりで好きなタイプの話を持ち出しているアミと、苦笑しながら話している千尋を見ていると、本当に殴りたくなってきた。
これから仕事だってのに、何でこんなに疲れないといけないのよ。
あたしは決意する。
…仕事終わったら、何時であろうが千尋の家に押しかけてやる。