美容師男子×美麗女子





□ □ □



「…」


あたしは今、絶望の淵に立たされている。

今日は古典の小テストがあった。

そのことを完璧に忘れていて、昨日勉強なんかしていなかった。と言うか、する暇とかなかった。
いつもなら、こんな小テスト一発で合格するのに。

黒板に貼られた古典追試生徒名一覧には、あたしの名前しかなかった。

今日は早く帰って、寝ようと思ったのに。


「お前なー、こんな簡単なテスト、よく不合格になったなー。授業でやったばかりのところだぞ」
「…すいません」

放課後の教室に1人残されたあたしは、机と対峙していた。

空はもうオレンジ色だ。ってか暗い。
冬は日が短いから嫌になる。

追試ということで、もう1度テストを受けたのだが、2回目となると合格した。

だが先生によると、18時まで帰っていけないと言う。
それまで、あと45分あまり。

「…もう合格はしたんですよ」
「ダメだ、1回合格したからって、身についてはいない。繰り返しが大事なんだ、繰り返し」

あたしは先生が愛を込めて作ったプリントを、ただひたすらこつこつとやっている。

「…先生、もう3枚目です。もういいんじゃないでしょうか」
「あと数十分だ!頑張れ!!」

なんて優しいスマイルでそんなことを言うんだろう。

ガラリと教室の扉が開いた。


「おお、お前か。どうした」

「ちっ千尋?!」

突然現れたのは、制服姿の千尋だった。

千尋は何ともなさげな顔で、先生のところに歩み寄っている。

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