青のキセキ
「久香の家族が翔さんでよかった...。久香のこと、これからもお願いします」
「遥菜ちゃん...?」
「翔さん、本当にありがとう。じゃ、行きますね」
沈痛な表情を浮かべる翔さんを背に、私はドアを閉めた。
冷たい夜風が体を突き抜ける。
ホテルまで色々な思いに身を馳せながら歩く私。
これ以上、課長に過ちを犯してほしくないから。
だから...もう終わりにする。
罪を償うのは...私の役目だと思ってる。
私ができることはそれぐらいしかないのだから...。
もう決めたこと。
全て自分で選んだ道。
後悔はしていない。
サヨナラへの道を決めた私に、もう迷いはない。