青のキセキ
手荷物を宿泊先のホテルへ置きに行くことにした私達を乗せたタクシーが、透き通る海を横に颯爽と走る。
手を繋ぎ、課長にそっと寄り添う。
真っ白な砂浜と真っ青な海のコントラストがとても綺麗で、まるで絵葉書になりそうな風景。
太陽の光が海に反射して、全てがキラキラと輝いているように見えた。
タクシーは10分程でホテルに到着した。
部屋へ案内され、荷物を置く。
「コンドミニアムタイプのホテルにしたんです。課長に手料理を食べてもらいたくて。晩御飯は私が腕を振るいますから楽しみにしていてくださいね」
ガッツポーズで課長に言うと、
「それは楽しみだ」
と課長の返事。
課長に食べてもらえる最後の手料理。
課長の好きなものを作ってあげたい。食べてもらいたい。
課長と私とお腹の赤ちゃんと過ごせる最後の夜だから。