青のキセキ
後片付けを済ませると、課長はバルコニーに居た。
夜の海とキラキラと輝く街明かりが見え、無言でその景色を見つめる課長。
空には満天の星。
私に気付いた課長が、手にしていたワイングラスをテーブルに置き、私を呼んだ。
「美空...おいで」
――――ドクンドクン。
全身に鼓動が響くような感覚。
波の音が心臓の音を消してくれているようで。
差し出された手に、自分の手を重ねた次の瞬間......私は課長の腕の中にいた。
「愛してる」
課長が私の顎を持ち上げ、唇が重なる。
段々と深くなるキス。
久々の激しいキスに少し戸惑いつつ、それを受け入れる。
舌が絡み合う音に、背中がゾクゾクする。
時折漏れる吐息。
なかなか息が出来なくて苦しいのに、離れたくなくて。
課長の温もり、そしてワインの香りに酔ってしまいそうになる。
私も...愛してる。
ひたすら課長の激しい口づけに応えながら、私は課長の首に腕を回した。