孤独の戦いと限界
・解放の意味

人は誰でも短所があり、いつも包み隠している。
初対面では、まず短所を如何に巧みに隠し続けるものだろう。

短所を隠し続ける事が苦痛になった時、自分の短所をサイン気味に相手に送り、理解を求めるのだ。

そして短所を認知してくれた時にこそ、本当の交際が始まり、信頼関係を築いていく事ができる。

やはりどちらかが遠慮し、短所を隠し続けたまま交際を続けても、いつまでも演技は出来ない、という訳だ。

本当の交際、と言っても短所は元々、人に受け入れられず、理解を得られにくいものだから、調子に乗り相手に短所を強要、遠慮をなくす事は、信頼関係の破壊に繋がるだろう。

短所への戒めは、自分でコントロールすべきである。

友達や恋人と性格が合うという意味は、自分の長所短所が同じであったり、それなりに受け入れてくれることに他ならない。

それは好きなもの、嫌いなものを共有し、限りなく理解を得る事ができる人を指す。

理解力という、人を包容できる精神的豊かさは、対人関係を築く上で、必要不可欠な性格の一面である。

短所を理解得られない時は、自分の部屋で短所を出し切って、自分自身を解放しているだろう。

理解を得難いものだから、私的空間を利用して、短所を出し切り、怒ったり、泣いたり、感情を素直に表現して、自分を慰めているのである。

短所も自分の性格の一部だから、どこかで満たしていく必要がある。

自分が人を選ぶ時は、美貌という外面的なものではなく、長所も短所も受け入れてくれる内面的なものを選ぶはずだ。

長所と短所を認めてもらった時、自分の性格を恋人に出し切り、自分自身を解放できるのである。』
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表紙・目次

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