恋の献血センター
「・・・・・・じゃっ」

「待て」

 ダッシュでその場を駆け去ろうとした朱美だったが、がしっと腕を掴まれてしまう。

「誰が逃げていいって言った?」

「出る手段を教えてくれたのは、あんたじゃん!」

「手段も何も、あけびちゃんが馬鹿だっただけだろ~?」

 ばちん、と小気味良い音と共に、朱美の手がしなり、彼の頬にヒットした。

「痛い~~」

「馬鹿って何よ!」

「ほんとのこと言っただけだも~ん」

 もう一度、朱美は腕を振り上げたが、ふと思い直す。
 そして、両手を腰に当ててふんぞり返った。

「失礼なこと言う奴には、血採らせてあげないから!」

「ご免!」
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