恋の献血センター
「あんたさぁ、そのアホっぽい喋り方、何とかならないの」

「あけびちゃんには、アホって言われたくないね~」

「帰る」

「わ~、ご免」

 宥めつつ、彼は朱美を診察用の椅子にかけさせた。
 ごそごそ、と針やチューブ、注射器を取り出す。

「・・・・・・ほんと、普通の献血ね」

「だっていつもは、普通の献血だもの」

 アルコール綿で朱美の腕を消毒し、ぷしっと針を刺す。
 意外に痛みはない。

「献血センターの人だって、たまに痛いのに。手慣れてるね」

「医師免許持ってるも~ん」

 どんな吸血鬼だ。

「わ~、出てきた。美味しそうだな~~」

 注射器に溜まっていく血液を見ながら、彼は悦に浸る。
< 18 / 22 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop