【完】山伏ネコの旅日記

 1年前ここをでた時と変わっていない…。


 “ようやく…帰ってきたんだ”


 オレは…この一年間の長い日々を思い出し空を見上げた。


 快晴の空に流れる雲が風に流されて集まりはじめ再び“飼い主のおばあちゃんの姿を借りた仙人さま”を移しだした。


 “まだまだここは出発点じゃ…。
 ここからの旅が本当の修行旅じゃぞ…”


 風の音に久しぶりに仙人さまの声をききオレは…空にむかって微笑んだ。


 空に流れる雲にうつる仙人さまも微笑みながら…風に流されて雲が崩れそのひだまりの温もりだけを残し消えていった…。


 “よしっ!”

 オレは…気合いを入れ直し周囲を見回したその先に一年前に食事をすませた皿に目がとまる…。


 オレはその皿に…近づくと皿の中にはいつもと変わらずに飼い主のおばあちゃんが用意してくれたエサが今日も1年前と変わらずに用意されていた。


 “いつ帰るかもわからないのに…用意してくれてたんだ”


 オレは…飼い主のおばあちゃんの優しさに触れ…感謝せずにはいられなかった…。
 用意してくれた久しぶりのエサをありがたく頬張り…味わいながらエサをたいらげた。


 “…ご馳走さまでした…。”


 感嘆とともに気持ちもお腹も満たされたオレは…飼い主のおばあちゃんを探すべく敷地内をぶらりと歩くためまた動きだした。



飼い主のおばあちゃんの家より少し離れたところに…お孫ちゃんの家があり…その近くに広大に畑が広がっている…。

飼い主のおばあちゃんは…家の近くの畑かお孫ちゃんの近くの畑のどちらかで畑仕事をしている…。

 オレは、自宅近くの畑に足を運んだが…飼い主のおばあちゃんの姿はなかったのでお孫ちゃんの家近くの畑へと移動したが…そこにも姿は見当たらなかった…。


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