シンデレラに玻璃の星冠をⅢ
由香ちゃんの答えに一番に反応したのは、玲くんで。
「氷皇!!? 何で其処に彼が!!?」
端麗な顔は嫌悪に歪まれた。
「会ったんだよ、実は」
「何処で?」
「実はね、師匠。紫堂に寄る前にボク……兄貴の様子見に、情報屋と病院に寄り道したんだ」
榊さんの…。
あたしの脳裏の榊さんは、黄色と真紅色に埋もれていく。
「榊さん、回復してた?」
振り切るようにそう明るく訊けば、由香ちゃんは困った顔をしたんだ。
「それがさ。病院がさ…丸々なくなってたんだ。闇病院だから、古ぼけたマンション風の建物だったんだけれど、綺麗そっくり建物ごと無くなっていて…土地しか残っていなかったんだ」
その眉は八の字になった。
「どういうことだ?」
声を低めた玲くんに、彼女は肩を竦ませた。
「判らない。途方に暮れていた時、突然氷皇が現われてさ。兄貴…"転院"したって告げられたんだ」
転院…。
「何処に?」
「言葉の代わりに、これ…渡された」
そして取出したのは…青い封筒。
………。
『レイクンへ☆』
玲くんの顔が引き攣った。