シンデレラに玻璃の星冠をⅢ
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迷路の作りは錯綜していて、かなり込み入った作りにはなっているが、俺の風やら…不自然に焼き切れたような穴やらのおかげで大分近道が出来たと思う。

地面に銃弾が埋め込まれているのは…どんな理由なんだろう。

先客の名残なんだろうか。

氷皇以外にも敵はいるんだろうか。


音楽が大きく聞こえてくる。

テトリスの丘はもう少し。


この迷宮には壁に切れ目はないようだ。

だったら俺は、入口の方向に戻らないよう注意しながら、ひたすら右手の壁にそって、迷宮の出口に向けて走って行けばよい。


♪チャーチャチャチャーチャチャチャーチャチャチャー


やがて行き着く、テトリスの丘。

思った以上に、ブロックは大きく…微妙な形で積み上げられていた。

あと2つ、高い場所にブロックが積まれれば、GAMEOVERになりそうだ。

更に横も、きっちりとはまっているわけでもないらしく、中途半端な位置にあるブロックが邪魔をして、横一列に出来ない部分が見える。


「ニノ、既存のブロックの横移動は出来るのか」

『お答えします、櫂様。落下速度5秒早まりますが、一番下ならばどんな方法でも左右の移動は可能です。ですが既存ブロックを横に修正した者は、落下ブロックをいじれません。どちらかの選択になります』


下だけ…。

落下した時のずれを期待するか、1段ずつ直していくか。

しかし上に積まれているとなれば、かなりの重さ。

どんな方法でもいいということは、力に頼ってもいいということか。


落下か修正か。

気をつけてブロックを置かねばならない。


「ニノ、今のブロックの重さは幾つだ?」

『お答えします櫂様、410kgです』

「そこまで落ちたか…」


ブロックはまだ落ちてこない。

落す場所は決めても、ブロックがなければ意味がない。


「ニノ。煌に電話をしたい。繋いで貰えるか?」

『お答えします、櫂様。それでは一時的に、外部に繋ぎます。少々お待ち下さい』


暫くして、煌が応答した。


『び、びびった。櫂か~?』


携帯で煌とやりとりするのは初めてだ。

このiPhoneは発火しないらしい。


『俺は今小猿のトコ戻ったけど、櫂、お前平気か~』


疲れたような声が耳に届く。


「どうした、何か問題あったか?」

『何度も…遠坂に狙われた。狙撃銃だけじゃねえよ、あいつ…バズーカー砲も連射するんだぜ? しかもレーザービームとか出んの。玲以外とっつかまえて、あと迷路抜けるだけの状態になっても、全員で連射だぞ!!?』

「連射って…バズーカーは単発単射だろ? 弾倉なんか…」


迷路にあった銃弾を含めた破壊の名残は…煌へのものだったのか?

その傷痕は後々まで残るらしい。


迷路の共有…か。
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