カプチーノ·カシス


「そう、ですよね……」


そう言いながらも、あたしは課長に内緒でハルには全てを話す気でいた。

もし、課長との恋に破れたら付き合おうと言ってくれたこと…それですごく心が救われたのは確か。

その、お礼も言いたいし……

それに今度こそ、セフレという存在があたしには必要なくなった。

これからはただの同僚としてよろしくって―――…


「……なに、考えてるの?」

「え…?別に何も―――あ」


さっき繋がったばかりの部分に課長が手を伸ばす。

たちまちハルのことは頭の中から消え、あたしは課長の指の動きにあわせて身を捩る。


「向こうに戻っても…あたしと、こうして、逢ってくれます…よね?」

「……もちろん。もっと話をしたいし、もっと抱きたい」


“もっと抱きたい”――そのフレーズだけで、あたしはいきそうになってしまう。

誰がなんと言おうと、今……あたしは、この上なく幸せだ。


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