カプチーノ·カシス


「プレゼントは、毎年あげるんですか?」


耳障りな質問はまだ続いていて、あたしは苛々してきた。

手を勢いよく動かし過ぎたのか、歯茎が傷ついて歯ブラシの泡に血が滲む。


「いや……プレゼントは」


言いにくそうに口ごもる課長。

正直に言ってください。

あたし、別に傷つきませんから。

それに……真実を伝えた方がきっと、石原を欺ける。

バッグ? アクセサリー?

それとも所帯じみた家電製品か何か?

どんなプレゼントでも傷つきはしないけれど、単純に興味はある。

そう思ったあたしは、口をすすぎながら耳をそば立てていた。


「品物じゃないんだけど、その……ゆっくりと夫婦の時間を楽しむ、というか」

「……あぁ! 今夜は課長、頑張っちゃうってことですね!」


……! 課長は、今夜奥さんを――


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