カプチーノ·カシス
「……美味しい」
「ほんとですか!?良かったぁ」
味ももちろんだけど、美波ちゃんがこれを僕のために作ったのかと思うと、なんだか美味しさが増す気がした。
僕ってすごく単純なんだなと心の中で苦笑を浮かべる。
愛情のこもったお弁当を作ってくれた美波ちゃん。
そして僕の“美味しい”の言葉に心底嬉しそうな笑顔を浮かべる美波ちゃん。
僕の中で彼女はもう、“一方的に好意を寄せてくる困った後輩”ではない。
熱いからと蓋を取ってキャラメルラテに口を付けた美波ちゃんが、鼻の下にミルクの髭をつけている。
そんな彼女をを見てたら、懐かしい欲求が湧き上がるのを感じた。
そこに口を付けて、ミルクを拭ってあげたいという欲求……
……いや、違う。
それを口実に彼女にキスをしてしまいたいという欲求だ。