カプチーノ·カシス
着いたのは会社からほど近い居酒屋。
愛海ちゃんと美波ちゃんが先にのれんをくぐり、僕もその後ろに続こうとしたら柏木さんに肩をつかまれた。
「……なんですか?」
振り向いた僕に、柏木さんは無表情のままで言った。
「……木原を俺にくれ、って言ったらお前どうする?」
言葉の意味がわからなくて、僕はただ呆然と立ち尽くす。
「なに、言ってるんですか…?」
「そのままの意味だ。なかなかいい女だから俺も抱いてみたいと思ってな」
……この人は何を言っているんだろう。
愛海ちゃんという大切な彼女が居ながら、美波ちゃんまで欲しいだって……?
「そんなの、駄目に決まってるじゃないですか……」
「……そうか。お前の許可が得られないなら仕方ない。
……力ずくで奪う」
柏木さんはそう言って、僕を挑戦的に見つめた。