tender dragon Ⅰ
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泣いたあたしを慰めて、抱き締めてくれた希龍くん。今目の前に座ってる。
あたしの前にはココア。希龍くんの前にはミルクティー。温かいから湯気が出ていた。
2人とも、黙ったまま。
そんな沈黙を破ったのは希龍くんだった。
「俺怒ってないよ。」
「え…?」
いつもみたいに優しく笑って。
怒ってないだなんて嘘でしょう?
だって、結衣は希龍くんの大切な人なんだから。その結衣が死んだのは、紛れもなくあたしのせいなんだから。
「無理、しなくていいよ……怒るのは当然だし。結衣のことは……絶対忘れないから。だから、もう何も言わないで…」
「…ダメ。」
少しムスッとしてあたしの手を掴んだ。希龍くんの体温があたしに伝わる。
「俺は怒ってない。結衣が死んだのも、美波のせいじゃないんだよ。」